ご挨拶-原口 哲之理
ご挨拶

電動化車両の未来とテスティング技術に関する
学際的議論の場

xEVテスティング・イニシアティブ2026
委員長
原口 哲之理
TETSUNORI HARAGUCHI
日本大学 生産工学部 上席研究員

名古屋大学 未来社会創造機構 客員教授

博士(工学)

電気自動車は自動車黎明期より存在していましたが、100年以上の時を経て、地球温暖化対策の観点から改めて大きな注目を集めています。

地球温暖化の本質的要因は、一次エネルギー、とりわけ化石燃料への依存にあります。自動車における最終エネルギーが燃料であれ電力であれ、環境負荷低減のためにはエネルギー効率の抜本的な向上が不可欠であり、その中核を担うのが電動化技術です。

電動化車両(xEV)には、内燃機関の効率を高めるハイブリッド車(HEV)、外部充電が可能なプラグインハイブリッド車(PHEV)、電力のみで走行するバッテリー電気自動車(BEV)、さらには水素を利用する燃料電池車(FCEV)など、多様な形態があります。これらはいずれも、大容量電池と電動モーターという共通基盤を有し、脱炭素社会の実現に向けて重要な役割を担っています。

本年は燃料価格の高騰による電力とのエネルギー価格差を背景に、特にBEVへの関心が高まっています。しかし、多額の補助政策にもかかわらず、その普及は依然としてHEVに及んでいないのが現状です。この要因の一つとして、従来車の代替としての視点に偏り、BEVならではの価値や魅力が十分に具現化されていない点が挙げられるのではないでしょうか。

xEVの真の普及に向けては、HEV、PHEV、BEV、FCEVそれぞれが特性を活かした魅力ある商品として進化し、持続可能なモビリティ社会の中で適切に役割分担を果たしていくことが重要です。また、品質の確保のみならず、新たな価値創出の視点がこれまで以上に求められています。

私たちが目指すべきxEVの存在意義は、次の三点に集約されます。

  • 地球温暖化抑制をはじめとする社会課題への貢献
  • 従来車両と同等以上の安全性・利便性を備えた持続可能なモビリティの提供
  • xEVならではの新たな価値の創出と実現

本年も昨年に引き続き、交通利便性の高い名古屋市内にて開催いたします。本会では、要素技術にとどまらず、実践的な車両技術に関する議論を通じて分野を超えた人材交流・連携を図り、xEVの未来をともに切り拓く場となることを期待しております。皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げます。